MINOTAKE LIFE

死ぬまで無事系サラリーマンの、身の丈に合った生活

『下流老人』藤田孝典

新幹線での焼身自殺事件以降、にわかにホットワードになった「下流老人」。下流老人になりたくない私は実用書として手に取りました。ちなみに会社近くの書店でもAmazonでも品切れのため、ひさしぶりにKindle版を買いました。この下流老人の話ですが、私はど…

『仙台ぐらし』伊坂幸太郎

仙台在住の伊坂幸太郎さんが仙台のコミュニティ雑誌『仙台学』に連載されていたエッセイと、何本かの短文と短編小説。 エッセイは震災の前後に書かれたもの。東京の文化人たちが震災について熱い思いを抱いていたのと対照的に意外に淡々と震災のことを書いて…

『黄金の時』堂場瞬一

商社マンとして成功した父と、父が敷いたレールを外れて作家になった息子。折り合いが悪く、疎遠になったまま突然父は亡くなる。遺品整理をしていて出てきたのは、なぜか野球のユニフォームに身を包んだ父の写真。生前、野球については嫌いだとまで言い切っ…

『佐治敬三と開高健 最強のふたり』北康利

開高健というと、まずサントリーの広告部門が独立したサン・アドの創立の言葉が浮かぶ。http://www.sun-ad.co.jp/about/index.htmlなんと美しい文章だろうか。私はちょっと気分が鬱屈してくると、この文章を読む。好きな詩はないが、強いていえばこれかもし…

『あ・うん』向田邦子

出鼻から余談だが、ずっとこの本は昭和天皇の話だと思いこんでいた。昭和天皇のくちぐせは「あ、そう」だった。よく読みなさい、という話だ。戦前の市井の人、門倉と仙吉、そして門倉が思いを寄せる仙吉の妻の絶妙なバランス。みんなが本心を心に留めながら…

日常をおもしろがる視点:『会社でビリのサラリーマンが1年でエリートになれるかもしれない話』林 雄司

読んでるときはおお!と膝を打つポイントがいくつかあったはずなんですが、いざ書こうとすると何も出てこない。笑これも林さんの特徴かなと思う。林さんはWEBやぎの目からのファンで、「死ぬかと思った」に投稿して本に載ったことがあります(自慢)会社員は役…

ファンタジーとラブストーリー:『忘れられた巨人』カズオ・イシグロ

カズオ・イシグロの実に十年ぶりの新刊。個人的には『日の名残り』『私を離さないで』に続く3冊目。2冊ともここ2年ぐらいで読んだので、その意味では初めてリアルタイムで読むカズオ・イシグロ。舞台は中世イギリス。アーサー王亡き後のようなので6~7世紀か…

孫ラブを隠さない、究極の私小説:『孫物語』椎名誠

椎名誠も老いたものだなあ、と思う。いや、これはdisっているのではない。旅に講演に焚き火にと忙しく飛び回っていた椎名誠が、東京で孫家族と近所に住み、その生活を楽しんでいる。そしてこの生活こそが、これまでで最も充実しているように思えるのだ。「三…

『BOSS』堂場瞬一

ブラッド・ピット主演の映画「マネー・ボール」をご覧になっただろうか?統計学的分析(セイバーメトリクス)を駆使して優勝争いから遠ざかっていたアスレチックスを立て直したゼネラルマネージャー(GM)、ビリー・ビーンの物語だ。野球に興味がなくともデ…

単語だって体で覚える『頭がよくなる 青ペン書きなぐり勉強法』

頭がよくなる 青ペン書きなぐり勉強法作者: 相川秀希出版社/メーカー: KADOKAWA/中経出版発売日: 2015/02/28メディア: 単行本この商品を含むブログを見る タイトルに「頭がよくなる」とかつけちゃう本は基本的に信じないんだが、これは薦めたい。なぜなら、…

椎名誠『そらをみてますないてます』

私は椎名誠のエッセイが大好きだ。 基本的にはおなじことを繰り返し書いては新刊として出している、そんなふうに思っている。 だがそれがいい。 今回読んだ『そらをみてますないてます』も、もうだいたい読んだことのある知っている話だ。 だがイスズミとい…

いしたにまさき『あたらしい書斎』

成功の証としての書斎から、知的活動の基地としての書斎へーーー だから、なにも広い机も巨大な本棚もふかふかの椅子もいらない、一畳でも書斎はできる。これにビビッとこない男はいないだろう。 書斎とは、というさわりから著者自身の書斎つくりの遍歴(失…

戸部田誠『タモリ学』

密室芸からニッポンのお昼の顔を経て、いまや趣味人の好々爺。これぜんぶタモリーーー いいとも終了の前後に乱発されたタモリ本のなかでは異色の、関係者にも本人にも直接取材することなく、文献とラジオとテレビをソースに書きあげたタモリ本。それゆえ内容…

『ほんとうは怖い沖縄』仲村清司

ほんとうは怖い沖縄 (新潮文庫)仲村清司新潮社発売日:2012-06-27ブクログでレビューを見る»基本的には霊の類いは信じない筆者らしく、いわゆる怪奇現象といわれるものも科学的・心理的なアプローチで冷静に分析する。しかしながら理屈では説明のつかないも…

『沖縄文化論』岡本太郎

沖縄文化論―忘れられた日本 (中公文庫)作者:岡本 太郎中央公論新社Amazonこれ読んでから沖縄行けばよかった! すごくおもしろかった。そういう視点があったか、なメウロコ本です。 やっぱり頭のいい人だったんだな、岡本太郎。 彼の作品はわかりにくいなと思…

『手塚治虫』手塚眞

「鉄腕アトム」のような、ロボットとともに生活する世界はまだきていないが、 生活のあらゆる場面にコンピューターが存在する現代は、 ある意味ではアトムに描かれた未来なのかもしれない― という意味のくだりがかなりメウロコでした。手塚治虫 知られざる天…

『ひとりぐらしも5年め』たかぎなおこ

ひとりぐらしも5年め作者:なおこ, たかぎメディアファクトリーAmazon一人暮らしあるあるが満載。 女の人の一人暮らしを垣間みてちょっとどぎまぎしました。 勝手に親近感わいてます。かわいい一冊。

『坂の上の雲』司馬遼太郎

やっと全8巻読破した! これで「龍馬がゆく」「翔ぶが如く」「坂の上の雲」の三部作制覇ってことで、 けっこうな達成感があります。 なんとなくこと順番で読んできたのだが、 時系列でいうと明治維新から明治初期の動乱を経て日露戦争へ、 という流れだった…

『仕事は楽しいかね?』

いわゆる自己啓発書というものにいまいちピンとこないのだけど、 タイトルと表紙に反応して手にとり、おもしろかったので買った。 だって表紙のおじいさん、「さむがりやのサンタ」なんだぜ。 「星の王子さま」を読んだあとのような捉えどころのなさ、 でも…

『夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった』谷川俊太郎

昨日ネットでたまたま見かけて、タイトルにやられて、 でもなんかこれはAmazonで買うのが許せなくて、 仕事帰りに途中下車して寄った本屋でみつけた。3軒目にして。 こんなこともあるんだねえ。

『徹底抗戦』堀江貴文

ホリエモンに対する意見は様々だとは思うが、自分のなかでは ビジネス界、政界の重鎮に真っ正面からぶつかっていき、 そのために志半ばで芽を摘まれてしまった人…という印象。 好きか嫌いかっていうとそれはもう好きです。 ビジネス小説を地でいくような、 …

PLATES+DISHES

Plates and Dishes: The Food and Faces of the Roadside Diner作者:Schacher, StephenPrinceton Architectural PressAmazonロードムービー好きなら絶対気に入る! 腹が減るわアメリカに行きたくなるわで誘惑の多い写真集です。

『牛への道』宮沢章夫

電車のなかで読んではいけない。 一人笑い必至です。 宮沢さんみたいな視点で生活できたらなあって思うんだけど、 日々生きるのに必死でそんな余裕ないっす。牛への道 (新潮文庫)作者:章夫, 宮沢新潮社Amazon

『就活のバカヤロー』大沢仁・石渡嶺司

就活のバカヤロー (光文社新書)作者:大沢 仁,石渡 嶺司光文社Amazonこれ読んで、まわりと同じように就活してたらつぶれてたかも、って思った。 というか、この本のなかに書かれているような状況になるのがいやだったから資格をとっていったわけで、その意味…

『偽善エコロジー』武田邦彦

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書)作者:武田 邦彦幻冬舎Amazon・日本がCO2排出量を6%削減したところで、ほぼ効果はない。 ・エコバッグよりもレジ袋を使うほうがエコ。 ・ゴミの分別は意味がない。etc… 著者の主張を100%鵜呑み…

ナニワ金融道読破

今のタイミングで読めてよかったなぁこれ。 大学生には、資本論とか読まなくていいからこれを読め、といいたい。 マクロとかミクロとか机上の知識だけじゃなくて、こういう知識も大事ね。 えげつないようだけど、理論よりこっちの方がより身近なんだから。ナ…

『ゴー・パブリック 起業公開物語』市川一郎

研究員として大会社に勤めていた主人公が起業し、会社が株式公開(IPO)にこぎつけるまでの道のりを書いた小説。 現実にはこんなにすらすらとはいかないものなのだろうとは思うが、起業からIPOまでの一通りの手順をざっと知ることができる点で参考になった。…

レイモン・サヴィニャックの作品集

うおー、勉強絡みじゃない本では久々に奮発した。 手書きの広告、なかなかです。 ダンロップやシトロエン(自動車関連)の広告を手がけた一方で、フランス国鉄もエールフランスも描いている。少なからず競合するであろう複数の企業を引き受けちゃうあたり節…

『死者の奢り・飼育』大江健三郎

戯れに読んでみたら、すごい怖い。気が滅入るので、まだ全部読めていない。 「人間の羊」のあと味の悪さったらもう‥ でも、ちょっと病みつきになる不思議。

『マッハの恐怖』柳田邦男

マッハの恐怖―連続ジェット機事故を追って 昭和41年に国内で相次いで発生した3件の墜落事故を追ったノンフィクション。 数少ない手がかりから事故原因の究明に取り組んだ学者と、科学的な観点を無視してヒューマンエラーを主張した学者。結局、後者が事故技…