MINOTAKE LIFE

死ぬまで無事系サラリーマンの、身の丈に合った生活

『犠牲』柳田邦男

幸か不幸か(もちろん幸せなことだけど!)身内や親しい人が亡くなるという経験がまだない。
自分が送る側として。こんなことに使っちゃって申し訳ないんだけども、例えば親が何らかの病気をしてもう先が長くありませんと医者の宣告を受けてから実際に死に至るまでには幾ばくかの時間があって、その時間はただ死を待つのみというイメージが強かった。じわじわと死が近づくのはどれだけ苦痛なんだろうかと。
だがこの本では、その時間は死を現実として受け止める為の時間、心の整理をする時間とあり、その視点はすごく自分にとって救いになるものだった。悲壮感ではなく、お互いが心の整理をする時間。そう思うと、ちょっと気が楽になる。

実はこの本が本当に言いたい事は「脳死の考え方」なのだが、自分にとって印象に残ったのは愛する人の死の迎え方だった。

余談だが、ずっと財布に入れていた「臓器提供カード」は捨てた。脳死と死はイコールではない。臓器の提供に関しては、自分の言葉で何らかの意思表示をしておくべきと感じた。