MINOTAKE LIFE

死ぬまで無事系サラリーマンの、身の丈に合った生活

外山滋比古『お金の整理学』を読んだ

”定年後のお金をどうするのか、生きがいをどこに見出すのか。この二つは、切っても切れない関係にある。"
あとがきの、この言葉がすべてである。
私は、定年までにいかに現金を貯めるか、そして定年後はいかに支出をおさえて生活するか、という視点で老後を考えていたが、そんな未来像ははっきり言えば「絶望」だった。生きてはいけるけど、楽しそうじゃない。
筆者は、定年後もなにがしかの方法で収入を得て、現役時代の貯蓄と年金を切り崩しながら、ではない老後を提案している。
たとえば定年後は、自分の好きなことや趣味を仕事にしてもいい。それまでの貯蓄や年金があるのだから、現役時代のように月30万円かせぐ必要は必ずしも、ない。
だから、月曜から金曜まで毎日8時間働くことに縛られる必要もない(そういう生活を望むマゾヒスティックな人も中にはいるだろうが)。
自分は、村上春樹のように早朝から仕事をして、午後は自由に過ごす生活を目標にしている。
会社勤めをしながらだとなかなか実現はむつかしいが、定年後に自分で仕事をするのならば、こんな働き方もできそうだ。
34歳になる年に、このような考え方に出会えたのは幸運であった。目標とする働き方、ライフスタイルを構築していく時間があと26年もある。
人生の後半が、希望のあるものに思えてきた。