『ユダヤの商法』藤田田
あの孫正義はこの本を読んで衝撃を受け、藤田田に押しかけたそうです。
そこで藤田が孫に「これからはコンピューターの時代だから、コンピューターを勉強しろ」と言ったのがソフトバンクの源泉です。
そんなすごい本。長らく絶版でプレミア価格になっていましたが、復刊されたので読んでみました。
空気中の成分は窒素78:酸素等22
人体は水分78:その他22
「78:22の法則」は人間ではいかんともしがたい宇宙の法則。P16
これは色々な本で引用されている有名な法則ですね。一方で、だからどうした?と思う自分がいます(笑)
数字に慣れ、強くなることがユダヤ商法の基礎であり、儲けの基本である。P22
野村克也さんの名言「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」に通じるものがあるかと。敗因を不思議で片づけると、負け続る。
現金主義に徹しろ
「きょうあの会社は、キャッシュでいくらになるか」
評価はすべて「キャッシュにすれば」で行われる P27
今や会計基準のスタンダードになりつつあるIFRS(国際会計基準)も基本思想は「今日あの会社はキャッシュでいくらか」です。あれ、もしかしてIFRSもユダヤ人が関わってる?(笑)
ユダヤ商法には2つしかない。女と口である。P32
これも有名なフレーズ。
口に入れた”商品”は排泄され、何時間後化には次の”商品”が必要になる。売られた商品がその日のうちに消費されていく。こんな商品は他に無い。P34
なるほど、食べ物は回転率が非常に高い上に、生きていくのに欠かせない。だから狙えと。
日本語しか話せないということは、その人間の考え方は、せいぜい儒教か仏教精神を基盤としてしか展開できないといってもいい。P37
これは村上春樹も『村上さんのところ』で同じようなことを書いていた。
語学を勉強する意味は、おおまかにいってふたつあると僕は思っています。ひとつは外国語を習得すると現実的に便利であることです。もうひとつは、外国語を習得することによって意識の選択肢が増えるということです。この二つ目の意味はかなり大きいと思います。
言語を習得することは「コミュニケーション」だけでなく「思考」の幅を広げるというメリットもあると言えますね。
契約書を買い取っては安全に利益をあげるチャッカリ屋を”ファクター”という。P52
いわゆる「ファクタリング」ですね。初めて語源を知りました。
差別は、相手が劣等な場合の優越感からくるものと、相手が優秀な場合の恐怖感からくるものとの二つがある。P72
いわゆるヘイトスピーチには、後者の要素もあるのではないかと個人的に思っている。
「あと何年」自分の寿命をそうやって冷静に計算できないところに、インチキな話がまかり通る日本式商法の温床がある。P142
”貯金を残して死ぬ日本人と、貯金を使い切って死ぬイタリア人”
数字と論理。現実を見ないとかえって損をする。
人に教えを乞うのに相手を呼びつけるような神経ではいけない。P177
これはとある政治家に対して言っています。まったくその通り。
本当の商人は嫌いなものを売る。P222
焼き物好きが骨董屋を始めてもうまくいかない、と。
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